カバーの中から雷魚を引きずり出すタックル

雷魚釣りと言うとどのようなイメージがあるでしょうか?

夏の釣り、カバーゲーム、フロッグ、ゴツイ竿、デカいリール、マッチョ、閉鎖的、といったあたりが、ネット上などにある雷魚ゲームのイメージではないでしょうか。

実際も、大体そんなもんです。

フロッグでなくとも雷魚は釣れる

雷魚釣りのタックルと言えば、エクストラヘビーの無駄に重いロッドに80lb前後(最近は100lb前後でしょうか)の無駄に強靭なライン、そしてフロッグタイプのルアーで菱や葦、蓮などのカバーの張ったフィールドでの釣りが定番です。中には、このセット以外で雷魚釣りをするのを、他人に対しても認めない狂信的な人もいます。

とはいえ、実際のところ、フロッグでなくても雷魚は釣れますし、フルオープンのフィールドでも雷魚は普通にいます。ただ雷魚を釣るだけなら、雷魚の棲んでいるオープンエリアでスピナーベイト引くのが一番釣れるかもしれません。

雷魚はカバーについていることが多い

ただ、雷魚はカバーと呼ばれる水生植物についていることの多い魚です。一面が菱に覆われているようなフィールドであれば、どこに雷魚が付きやすいかは、流れ込みや地形、風向きなどの菱とは別の要因が影響します。

でも、例えば水面の一部分を菱が覆っているとか、岸際だけに葦が生えているような場所では、雷魚はそれらの水生植物についていることが多いものです。

カバーの雷魚を狙えるタックル

部分的にカバーのある場所でも、オープンエリアにも当然雷魚はいます。このあたりは、ストラクチャーにバスが付くのと同じような感覚かと思います。

とはいえ、雷魚がカバーに付いていることが多いので、やはりカバーを狙いたくなります。ここで、雷魚タックルが登場します。

葦原の奥の奥や菱で覆われた水面を狙おうとすれば、フロッグを使うしかなく、そのフロッグでもなんかのはずみに葦にフックが刺さってしまったりします。また、ヒットした直後の雷魚は爆発的な暴れ方をすることが多いのですが、この際に、葦だの菱だのを巻き込んでしまうことがあります。

葦にフッキングしてしまうと、特に葦の根元近くの場合では、かなりの力でも外れません。こんな時に雷魚釣りで使う80lbの引張強度を持つラインであれば、ラインとロッドを一直線にして引っ張ったり(リールが痛むのでお勧めしません)、タオルなどを巻いた手にラインをぐるぐる巻いて引っ張ったり(素手に巻くとラインが滑った時に、ざっくり手が切れます)すると、葦を引きちぎってフロッグを回収することが出来ます。

また、フッキング後に雷魚が暴れて藻ダルマになってしまうと、かなりの重さになりますが、ゴツイ雷魚ロッドと太いPEラインであれば、藻ダルマごと引き寄せることが出来ます。

ゴツイ雷魚タックルには、雷魚のヒット直後の大暴れに対して、無駄に強靭な雷魚タックルで強引にカバーから引き離す、という面もあります。

そして、雷魚釣りで使う80lbのPEラインは太さもそれなりですから、リールはそれがある程度巻けるサイズが必要で、80lbのラインならABUの5000番台クラスでなんとか、100lb以上のラインであればABUの6000番台クラスのリールが必要となります。

雷魚独特の捕食行動

そういったことで、雷魚を狙って釣りをする際に、なにかと釣りがしやすくできている雷魚タックルが重宝します。

そうは言っても、これは雷魚釣りに限ったことではないですね。
どの魚種であっても、その魚に最適とされるタックルがあるわけで、数々の釣り人が試行錯誤しながら狙った魚に最適化してきたタックルがあります。

雷魚タックルは他の魚種狙いのタックルと比べて奇妙なタックルですが、上記のように雷魚を狙うために最適化された結果です。

でも、雷魚にはやさしくないですけどね。

フロッグにアタックする前に「前兆」がある

雷魚釣りをする際にフロッグで狙いたくなる理由に、雷魚独特の捕食行動があります。

オープンエリアで釣りをしていると、雷魚の捕食シーンが丸見えの場合があります。
その際に、バスのようにどこからともなく急にあらわれて一気に食いつくのではなく、大抵の場合はゆっくりとフロッグに近づいてきて、しばらく漂いながら眺めてから、急に「バフ」っと食いつくことがわかります。

バスもトップで狙っていると似たような行動をすることがありますが、バスがしばらくルアーを眺めで食いつく場合は、大抵ちょぼっとつっつく感じです。

カバーの釣りでは「予兆」が出やすい

雷魚釣りをトップ(フロッグ)で狙う魅力の一つは、この静から動への急激な展開があると思います。

もう一つの魅力は「予兆」が出ることにあるのではないでしょうか。

上記のように、雷魚が捕食する際には、大抵の場合一度フロッグに近づいて眺めてから「バフ」っと来ます。この一度近づいて眺めていることが釣りをしながら分かることが多いのです。

雷魚がフロッグに付いてから、雷魚師それぞれの「食わせ」のアクションをフロッグに与えるのですが、この間の駆け引きがたまらない魅力なのです。特にカバーの中で釣りをしていると、カバーが揺れることで雷魚がフロッグについたことが分かりやすいことがあります。

菱のカバーであれば、雷魚周辺の菱が、すっ、と滑るように動いたり、少し盛り上がったりします。葦やガマなどの場合は、雷魚周辺の葦やガマが、ふらっ、っと揺れたりします。

この雷魚の「予兆」を感じながら、心臓をドキドキさせながら、時には数秒程度、時には数分にわたって雷魚と駆け引きをするのですが、食わずに去ってしまうことも良くあります。

雷魚の習性など

雷魚はかなり気まぐれな魚で、水生植物のカバーに着きやすいといっても、フィールド内の結構どこにでもいます。釣りをするのは朝まず目夕まず目がいいと言っても、他の魚ほどはっきりとした違いは無く、真夏の炎天下でもそこそこ釣れます。日差しのあるときには水面でボケッと浮いていることも多く、気温水温の高い時期であれば、雨が降っていてもフロッグにアタックしてきます。

雷魚は産卵期が長い

バスのように、プリスポーン、スポーンの時期がはっきりしているわけではなく、例えば関東であれば同じフィールドでも6月から8月初めごろまでディスプレイ行動がみられることがあります。

このディスプレイ行動も雷魚は派手で、人目もはばからずオスメス二匹で浮いたり沈んだり、暴れたりしています。ディスプレイ中の雷魚は狙わないように、とよく言われますが、実際のところディスプレイ中を狙ってもフロッグには見向きもしません。

また、雷魚の習性で有名なものは「子守」です。産卵の際には水生植物で浮き巣をつくることが多く、親はその巣の近くに留まって巣を守ります。卵のふ化後は稚魚が集団になっているのですが、雷魚釣り師の間では雷魚ボールなどとも呼ばれ、この雷魚ボールを親雷魚が守っています。

なお、この雷魚ボール(を守っている親雷魚)を狙うことは厳禁です。